(前回の続き)
そうこうしとる内に、ついにスーベレーン購入。関連ムックやネット検索、同好諸氏のBLOG通読等、いつものごとくニワカ博士になって、頭の中はぱんぱん状態に。“個体差があるので試筆した方が良い” “M800はニブが柔らかいので、使い慣れた人向き”などの慣例やアドバイスを吹き飛ばし、どうせ馴らしに時間が掛かるなら時間も勿体ないし、ノボっとる内が良い、とか、やっぱ、ネットで買ったの方がお得、とか、勝手に解釈して、自己満足全開で購入に踏み切ったのだった。
さて、品物が届くまでには1週間掛かった。「趣味の文具箱」vol.13で見かけた椎名誠さんの万年筆には名入れがされており、感化されたオレは、初の名品ということもあり名入れ注文していたのだった。自分でしといてなんだけれども、注文したからには一刻も早く使ってみたくなる物だ。やっぱり、名入れは無しにしておくべきだったか、(ショップの住所は関西なので)インフルエンザ騒動だけど大丈夫か、なかなか発送メールが来ないな、問い合わせしてみよか、などと、心の中では紆余曲折、葛藤を繰り返し、一人で勝手に焦らしプレイに陥っていたのだった。もちろん、ショップがSに走る訳が無く商品は名入れ込みの納入期間で素直に届いたわけだが。
記念すべきその日の夕方、配達先から帰って来たオレは、車の中から工場脇の細い路地を小包を抱えて小走りに走ってくる佐川の兄ちゃんを確認した。今にも飛び出してサインしたいオレを脇目にして事務所に向かう兄ちゃん。急いで車を止めて一目散に事務所へ向かうオレ。「こわれ物って、何買ったの?」と言う母ちゃんを尻目に奪うように箱を取り上げ、「そうか、こわれ物扱いなのか~。」などと感心してしまう。
その後、仕事から上がって夕飯を手早く済まして、ドキドキの初使用へ突入。慎重にキャップを外そうとするが、素直に取れない・・。はたと思い起こし、キャップがスクリュー式だと気付いて回してみるとちゃんと取れた。緊張のインク吸入では、説明書をしっかり見ながら尻軸を回し、どうだ、上手くできたじゃないか、とペン先をティッシュでふいていると、インクが手に着いてて、ちょいとヘコむ。
気を取り直して、この日の為にと奮発したRHODIA No.16に試筆してみる。インクの出方などを気にしながらあまり力を込めないように自分の名前などを書いてみたところ、力を入れていないのにスラスラ書けるのに驚く。まるで筆のようだ。万年「筆」と言われる由縁ですな、これは。ペン先が太くて長いので、SafariやPelikanoのようにガシガシ書く気ににならない。あまり力を込めると折れちゃいそうだし、ペンポイントが拡がるのも避けたい。
こうして、ペン先近くを持ち、軸を立て気味であり、筆圧は強め、というベテラン諸氏には怒られそうなオレのペン馴らしの旅が始まった。上の方を持ち、寝かせ気味で、ソフトタッチを心掛けると言うのも良いが、自分らしい字が書けないのでは面白くない。入りが無手勝流なのである。色々試して自分なりの癖が構築出来れば良いと思っている。
願わくば、上手く「味」がついて、いつも素晴らしい書き味を保証してくれる1品にならんことを。
